常識と真理

きょう、ひとりの患者さんに質問をしてみました。


「はじめて治療にいらっしゃった日、これ以上、悪化しないように

今の状態を維持したいとおっしゃっていましたが・・・


その気持ちに変わりは無いですか?」と、少し意地悪な質問をした・・・


何故なら、この患者さんは数か月前、

つまり、はじめて当院の治療を受けた日より

状態はとても良くなっているからです。


患者さんは笑いながら、

「維持するならば、今現在の状態を維持したいと思います」

とおっしゃっていた。


続けて、「あの時、維持ではなく、少しでも治るように努力しましょうと、


言ってもらい今があります」と付け加えて下さった。


ありがたいことです。


この患者さんは、様々な医療機関で、

「現状維持に勤めましょう」と、それが常識であるかのように

言われ続けてきたのです。


確かに治療をしなければ、結果は分かりません。

しかし、この患者さんに限って言えば、

治療した価値があったのです。


なにより、治療に対する気持ちが変わったと

ニコニコと話されている姿が印象的でした・・・


たぶん、ほとんどの医療機関、治療院では、

どちらかと言えば、ネガティブな思考で、

可能性をさえぎる言葉ばかりを聞かされることと思われます。


しかし、それは無理もなく、ほんとそれが世間の一般常識なのです。

(自分自身、整形外科に勤めていた頃は、そうでした。)


そう、残念なことに「治らない」ことが常識であり、

そして何故か、その「治らない」常識を守ることの方に

医療従事者が積極的なのです・・・


本来、治す為の機関が、いつのまにか

治らないという常識を前提に治療している

矛盾が生じているのです。


この違和感に気が付き、

真面目に勉強される先生は少なくないと思います。


もちろん、すべての不都合が解決するわけではありませんが、

そうだとしても、治す為の治療というポジティヴな思考で、

治療に臨むことは、治癒をも左右するという意味でも

無駄ではなく、むしろ重要なことだと考えます。


自分自身の常識が、可能性を少なくしている原因だという事実に

患者、術者ともに、そろそろ気が付くべきだと思います。


その為には、治す為の学び、治す為の思考、

そして、治す為の、お互いの努力が必要であると考える。


実は、ほんと単純なことではありますが、

しかしながら、単純なことだけに実践するのは

とても難しいことだとも思います・・・


治療における一つの真理かもしれませんね。